弓道と聞くと羽織袴で弓を的に当てるスポーツですが、弓道着に着用するインナーや男女での違いがあるのかどうか、今回は弓道着についてお話ししましょう。
弓道着の女子の着方!男女の違いってある?
実は弓道着には男女に着方の違いがあります。
⬛︎ 男性と女性の違い
どうして男性と女性では着方が少し異なるのかというとそれは体格や骨格の違いがあります。
例えば通常の洋服でも袴をつけるところは女性用と男性用では少し異なりますよね。
男性用の場合は腰骨に、女性用の場合はウエストの細い部分につける様になっています。
それでは女性の弓道着の着方を見てみましょう。
女性の袴は男性の袴ほど紐の締め加減や位置を気にしなくていいので、着るのが男性に比べて簡単です。
袴を着る(帯を締める)位置を間違えると胸郭を圧迫して呼吸が上手く行かなくなるので要注意です。
《着方》
1.前腰(ひだが5本の方)を持って片方ずつ足を通し、真ん中のひだを体の中心に合わせる。
2.左右の紐を後ろで交差させ、帯の下あたりをなぞるようにして前へ戻す。
3.左脇あたりで左右の紐をぴんと張りながら重ね合わせる。
4.重ねたところを左親指で押さえ、右手は紐を張ったまま折り返す。
5.張りを失わないように左右の紐を後ろへ回す。(3~5は右側でも)
6.もう一度後ろで交差させて前へ戻し、袴の下でふたからげする。
7.後のへらを道衣と帯の間にしっかりとさし込み、帯の結び目に袴の後腰を乗せる。
8.後紐を持ち、左右の脇のあきが同じになるよう合わせる。
9.合わせた後腰がずれないように左右の紐を持ち替え、引っぱり加減に右の紐を後ろまで回す。
10.左紐も同様に後ろまで回す。(9~10は左右逆でも)
11.脇のあきから後腰の下に紐を通し、帯の結び目の下で蝶結びする。
12.できあがり。
これで女性の弓道着は完成になります。
ちなみに男性版も紹介しましょう。
1.前腰(ひだが5本の方)を持って片方ずつ足を通し、真ん中のひだを体の中心に合わせる。
2.左右の紐を後ろで交差させる。(帯のふちに添わせる程度で締め過ぎない)
3.斜め下方向へ引っ張り加減にしながら、前紐を体前面へ戻す
4.左脇あたりで左右の紐をぴんと張りながら重ね合わせる。(右側でも可)
5.重ねたところを左親指で押さえ、右手は紐を張ったまま折り返す。
6.きっちりと張りながら、帯下縁をなぞるように左右の紐を後ろへ回す。
7.緩まないよう2回からげて蝶結びする。
8.後のへらを道衣と帯の間にしっかりとさし込み、帯の結び目に袴の後腰を乗せる。
9.後紐を持ち、前方へ引きながら、左右の脇のあきが同じになるよう合わせる。
10.後紐を前中央で重ね合わせる。(前紐の下に通してから、この状態にする方法もある)
11.上の後紐を、紐全体をまとめるように通し、引き締める。(もう一回通して巻きつける方法もある)
12.下の後紐を横に渡し、上の後紐をその上に重ね、図のように通す
13.結び目を引き締める。
14.後紐の余りを下辺の前紐に巻き付ける。(長く余る場合は、後腰下で始末する)
15. 出来上がり。(前腰と結び目の間に、紐1~1.5本程度の開きができる。これより狭いと落ち着かず、広いと品がない)
⇒初心者から指導者まで、教士七段 増渕敦人先生の動画はこちら
弓道着のインナーは何を着れば良い?
弓道は屋外でやるスポーツです。
昔はインナーを着ないという暗黙の了解があったようですが、しかし時代の流れもあり、今では寒冷対策を推奨しています。
では、弓道着の下に着るインナーはどの様な物を着れば良いのでしょう。
インナーはどれでも良いというわけではありません。
インナーを選ぶ上での注意点をはじめに話しましょう。
◎道着や袴からはみ出さないこと
ハイネックやタートルネックはインナーとしてはNGです。
首元は道着から見えていないといけません。丸首かVネックを選び、袴の裾からインナーが見えるのも良くありません。
タイツやジャージを履く場合も足袋の上までにするか、足袋の中まで入れるようにしましょう。
◎薄手で暖かいこと
道着と袴を上に着るので、厚手のものはやめ、厚着をしていると体も動かしづらいので、なるべく薄くて暖かいインナーを選びましょう。
◎派手・華美でないこと
色は黒、白、紺やグレー等が好ましいとされています。
派手な柄だと道着から透けてしまうので無地かワンポイントとし、襟付きやハイネックは避けましょう。
寒い冬場は各社メーカーからヒートテックが売られています。
Vネックのものもありますしあったかく薄手の為おすすめです。
弓道着の着方の基本!
弓道着の着方のポイントをお話ししましょう。
ポイント① 襟は開きすぎない
喉の鎖骨の間のくぼみを見せないというのが弓道着ではポイントになります。
上衣を着る場合には注意しましょう。
ポイント② 襟のラインはバストトップと同じにする
襟の開きすぎは気をつけてましょう。
着物と同じく深いラインまで前を打ち合わせるようにきましょう。
ポイント③ 上衣にシワにならないように着る
見た目がしわしわですと全体的に残念な結果になりますのでしわしわにならないように着ましょう。
まとめ
いかがでしたでしょう。
今回は弓道着についてお話ししました。
弓道着の着方には男女に違いがあります。
弓道着に着るインナーもVネックなど襟から見えないタイプを選ぶようにしましょう。
是非参考にしてください。